ポール・セザンヌ(Paul Cezanne)

印象派・後期印象派
1839年1月19日‐1906年10月22日
ぺたっとした感じの絵が印象的なセザンヌは、自然を描き続ける印象派でありながら、その中に幾何学的なデザインを斬新に取り入れた画家としても知られています。セザンヌの絵に影きょうを受けた画家にピカソもいるんですよ!印象派の画家でありながら、『近代絵画の父』と呼ばれているセザンヌはどんな画家で、どんな人物だったのでしょうか。彼が描いた絵からだと、セザンヌの性格はちょっと想像がつかないかもしれません。

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セザンヌのプロフィール
ポール・セザンヌは、1839年にフランスの小さな町エクスの裕福な商人の家に生まれました。しかし、セザンヌの父親はとても厳しい人でセザンヌはいつもビクビクしながら生活してしました。
10代後半から絵画教室に通うようになったセザンヌは画家になってパリに住みたいと思うようになります。ですが、父親に言い出すことができずにいました。1859年に思い切って画家になりたいと両親に頼み、2年間に渡り説得し続けたのです。そして、1861年にようやくパリに移り住むことになります。
半年で精神的不安定になり、故郷に戻るのですが1862年には再びパリに戻り、本格的に画家として活動をはじめたのです。
当時パリにはセザンヌ以外にも現在印象派と呼ばれる画家たちが多く集まっていました。セザンヌもそのメンバーの一人ではあったのですが、おくびょうで人付き合いが苦手だった彼はなじむことができませんでした。
そんな中、ピサロとは仲良くなり、絵画の技法を教わっています。このセザンヌの性格や不安は絵画にもあらわれています。
セザンヌの絵画が多く変化するのは30歳ころで、これまでの絵画とはガラリと雰囲気が変わります。それは、オルタンスという女性と知り合ったためといわれています。オルタンスは後にセザンヌの子供を1人うみ、結婚しました。
絵画の技法の研究をずっとしていたセザンヌですが、なかなか世間には認められませんでした。サロンと呼ばれる美術展に何度も絵画を出品しているのですが、入選したのはたった1度で43歳のときでした。しかもその入選は、友人であった審査員に頼み込んでだったのです。
友人が少なく、人付き合いもあまりなかったセザンヌは、パリではほとんど無名だったのですが、セザンヌの晩年に画商がパリで個展をひらいたのをきっかけにして、有名になっていったのです。
セザンヌは、晩年再びうまれ故郷であったエクスに戻り、1906年に雨に打たれ肺炎をこじらせたのが原因で、その生涯をとじました。
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セザンヌの絵画の特徴
セザンヌは、印象派ではありますが、そのままの情景を描いていたわけではありません。自然の中に幾何学を見つけ出し、それを表現しようと追求していた画家でした。特にセザンヌが得意とした絵画は静物画で、独特の手法を取り入れています。
長方形の筆づかい
セザンヌの絵画の特徴に筆づかいがあります。色を塗っている部分を良く見ると、ひとつひとつの筆づかいが長方形に近い形で塗られています。その長方形を並べて建物や木が構成されています。この手法は年代がすすむと正方形に近くなっていきます。このように長方形に描くことで、絵画に統一感を出しています。
幾何学的な構成
自然の中に幾何学的配置を見つけ出そうとしたセザンヌの手法は、描かれているものの配置はかなり計算されています。セザンヌが「近代絵画の父」と呼ばれている理由の一つがこの構成方法なのです。描かれているものの配置は、パッと見ただけではわかりにくいのですが、まる、三角、円すい、円柱になるように丁寧に配置されているのです。
この幾何学的な構成は、20世紀になりピカソにも強く影響を与えたのです。
リンゴと山
セザンヌはリンゴと山の絵画を多く描いています。特にリンゴはひんぱんに題材にもなっていて、60点以上もの絵として残っています。また山の絵は晩年に多く描かれていて、こちらも40点以上の絵が残っています。リンゴも山も平面的にも見える色の塗り方をしていますが、色によってわずかなり立体感を出しています。
白い余白
これまでの絵画にはあまり見られなかったことなのですが、セザンヌの絵画には、部分的にあえて絵の具が塗られていないものがあります。これは決して未完成ではなく、完成させるために色を塗っていない部分が必要だったのです。これ以上色をつけても意味がないと判断したり、どの色を塗っても全体の考え抜かれた色彩のバランスが壊れてしまう場合など、セザンヌは色を塗らなかったのです。
セザンヌの有名な絵画
数多くの作品を残しているセザンヌの絵の中で代表的な作品は、次のものがあります。これらの作品はぜひ覚えていてくださいね。
オレンジとリンゴ
オレンジとリンゴ – セザンヌ
セザンヌの絵画の中でもっとも有名といわれている絵画のひとつです。無造作に並べられているかのように見えるオレンジとリンゴは、幾何学的にかなり細かく配置されています。そして、一つ一つのリンゴの色も色彩バランスを考えて塗られているのです。皿やリンゴのつみ方は、実際にはありえないような不自然さがあるのですが、これもゴーギャンの幾何学的手法の一つなのです。パリのオルセー美術館で見ることができます。
カード遊びをする2人の男たち
カード遊びをする2人の男たち – セザンヌ
この絵画にもセザンヌの絵画の特徴である白の余白があります。この絵をぱっと見ると、男の人2人がただ戸ランプをしているだけの絵にしか見えません。しかし、この絵は革命的な絵画といわれているんですよ。それは、これまで伝統的であった遠近法を無視して描いているのです。テーブルの形、男性の脚の形を良く見ると現実で一方向から見た場合ではない形をしているのです。ロンドンのコートールド・インスティテュート・ギャラリーにあります。
サント・ビクトワール山
サント・ビクトワール山 – セザンヌ
セザンヌの心をとらえて離さなかった自然の題材としてこのサント・ビクトワール山があります。山の描き方も晩年になるほど、のびのびとして穏やかに描かれていますが、実際の山とはかなり違っています。ここにも考え抜かれた色づかい、自然をただ模写するだけではなく、その奥深さをこの山を通して追求しつづけていました。サント・ビクトワール山のシリーズで一番有名な作品はフィラデルフィア美術館で見ることができます。
教科書や本、画集でセザンヌを見ただけでは、何がすごいのかよくわからないでしょう。私もそうでしたし。セザンヌの絵画の特徴である、白い余白(塗り残し)は実際に絵画を見ないとその存在感がよくわかりません。幾何学的な構成だといわれても、小さな写真だけではわかりにくいでしょう。セザンヌがあまり好きでないという人も、結構いるのではないでしょうか。でも、本物のセザンヌを見る機会があればぜひぜひ見てください。たぶん、これまでのセザンヌのイメージと変わりますよ。
セザンヌはこんな言葉を残しています。
「自然の中に、円筒形と球形と円すい形をみつけなさい」
セザンヌと関係があった画家:ピサロ